「羽生の頭脳」を人工知能・認知科学の研究者が解釈する処が面白い
本書では、羽生氏が「良い手を見つける」「形勢判断する」というような将棋における思考方法を分かり易く言語化しており(羽生節炸裂!)、それを人工知能専門家(松原仁 氏)・認知科学専門家(伊藤毅志 氏)が解説を加えるという形態を採っています。初級者〜中級者とプロとでは思考の仕方がどう違うのか、人間とコンピュータの思考の違いはどうなのか、という点についてかなり踏み込んで語られていて興味深く読めました。将棋・囲碁で「筋が良い」とかいう言葉がありますが、そのような審美眼・大局観(という言語化しにくい「暗黙知」)がやっぱり重要だな、と気付かされます。この辺りを読んでいると「上達の法則」(岡本浩一)や「『超』発想法」(野口悠紀雄)などの本を思い出したりしました。"理詰め"と"感覚"のバランスが重要ですね。
また"Thinking about thinking improves thinking."(ノーベル物理学賞・ショックレー教授)という言葉も思い出しました。思考について考えると、より良い思考が出来るようになる、といった処でしょうか。本書を読んでいると、個々の情報単独では決して得られないモノ、つまり各情報間の連関から生じる新たな情報("メタ情報")を掴むことが重要だな、と気付かされます。(Googleの検索エンジンの仕組みみたいな。そう言えば、羽生氏は「ウェブ進化論」(梅田 望夫)の書評も書いてましたっけ) そのようなメタ情報およびその加工法に関する人間独特の「暗黙知」を如何に「形式知」として表出化出来るのかが今後の課題ですね。(「例題:"0→2"、"5←2"の時、"0□5"の□には←か→のどちらが入るか」には唸りました)
引用元:
「羽生の頭脳」を人工知能・認知科学の研究者が解釈する処が面白い
最後の辺りに
「富野監督はお話を作って演出することでシャアになる。
安彦さんは漫画を描くことでシャアになる。
でも僕はどんな時でもシャアと一緒にいる」
といった文章があり、一番ガツン!と来ました。
友人であり大のガンダムファンであるGacktへの留守電に
「ララァ(役の潘恵子)が君に会いたがっている」と
入れたそうで…Gacktはあのシャアの声でこの言葉を聞いたのか〜、
羨ましくて仕方無い!そういうエピソードも沢山語られています。
…やはりこの人はもうシャアそのものです。
引用元: